親の年収と子どもの学力の関係

以前の記事に,にゃんこのおめめさんからこんなコメントをいただきまして,今日はそれについて考えたいと思います。

> 大張り切りの教員生活をされているご様子、結構に存じます。・・・・4日に日教組が発表したアンケート結果には、・・・・このアンケートが示している「経済格差が学力格差」に影響しているという基礎データをお持ちでしたら、・・・・私のブログに投稿して頂いても結構です。よろしくお願い致します。
Posted by にゃんこのおめめ at 2008年02月07日 16:32


たぶん,この元になっているのが

経済力が学力に影響、83% 日教組の教員アンケート

 教員の83%が家庭の経済力の差が子どもの学力に影響していると感じていることが4日、日教組が全国の小中高校と特別支援学校の学級担任を対象に実施したアンケートで分かった。
 給食費や教材費、修学旅行の積み立て費などの学校納入金も、51%の教員が保護者への負担を考え「意識して極力削減している」と回答した。
 日教組は「教育現場に格差が広がっている実態を多くの人に知ってほしい」と調査目的を説明、記述式調査の結果なども併せ分析を進めている。
 全国77の単組を通じて実施、計3913人から有効回答を得た。
 調査結果によると、保護者の収入の高低が子どもの学力に影響を与えていると感じている教員の割合は小学校81%、中学校84%、高校87%、特別支援学校75%だった。
 「受け持ちの子どもの中で納入金の未納がある」と答えたのは半数近い46%。学校種別では中学校の60%が最多だった。(共同通信社'08/02/04)


というこの辺だと思う。まず,日教組組合員29万6000人のうち,3913人(約1.3%)の数値が有効数字かどうかということだが,
それが77の単組のうち30にも満たない単組からの回答なら,数値の偏りも懸念されるが,抽出という点で考えれば,単に数の少なさという点で一蹴することはできないと思う。だいたい,こんなアンケートを悉皆でやられたのではたまらない。

で,数値はないが,現場の感覚としては当たっている。
私の学校でも約8分の1の生徒が就学援助をうけ,給食費の未納は全校合わせれば10万円を超えるときもある。学力差は開き続け,ネグレクトに近い家庭の子どもたちの家庭は,収入が不安定だったり低所得だったりが多いし,その子たちの中に,成績の優秀な子はいない。
そう,裕福な家庭の子にも低学力は存在するが,逆は極端に少ない。
集金の回収もめどが立たなかったりするので,学校で購入する副教材などにも気を遣う。

これに追い打ちをかけるようなメディアの記事が
プレジデントという雑誌に出ている。

ある大学教授はこう語る。
「実は、格差問題自体は、教育社会学研究者の間では目新しい問題ではありません。親の職業や収入が子の進路選択を限定するという仮説に基づく研究は、40年以上も前から続けられてきました。今になって格差が問題になっているのは、将来の見通しが不透明になっているためでしょう。終身雇用に支えられた高度経済成長期は、極端な話、会社員になれれば一生安泰でした。ところが、最近は働いても生活保護以下の収入しか得られない『ワーキング・プア』の話も珍しくありません」

 いま日本では、「格差」という言葉を耳にしない日はない。「企業格差」「業界格差」「地域格差」「学校格差」「学力格差」「医療格差」……。日本中、格差のオンパレードだ。

 東京大学の調査(学生生活委員会学生生活調査室)では、東大生の親の平均年収は1000万円を超える。少し詳細を記すと、950万円以上の親が半数の50.7%を占め、1250万円以上は19.4%と実に約2割を占める。一方、450万円以下は13.7%にとどまる。
 東大生の親の半数は950万円以上の年収だ。この数字がいかに凄いかは、サラリーマンの平均年収と比較するとよくわかる。

 厚生労働省調べの最新版「賃金構造基本統計調査」(2006年)によると、正社員の平均年収は489万円。男女別で比較すると、男性社員の場合は555万円で、女性社員の場合は343万円。派遣社員や契約社員などの非正社員は266万円。また、上場企業の社員の平均年収は657万円となる。

 偏差値の高低や親の年収が学習意欲を左右することはないかもしれないが、「年収格差は学力格差を生む」――。東大生の親の年収調査からは、こんな仮説が成り立つ。もはや高収入の親を持つ子どもしか東京大学に合格することはできない。

 ちなみに、「賃金構造基本統計調査」によると、学歴格差も厳然と横たわっていることが証明された。平均年収では中卒439万円、高卒492万円、短大・高専卒501万円、大学・大学院卒676万円。中卒と大卒の差は237万円である。
 企業規模別にみると、格差はさらに跳ね上がる。一番低いのが中卒で99人以下の企業に勤める人の386万円。もっとも高額になるのが大学・大学院卒で1000人以上の企業に勤める人の793万円。その差407万円。
 これは感覚的には、もはや「格差」というより、「階級」的な違いとなっている。


これは中田英明さんというプレジデントの編集部の人が書いたものだが,データはリンクしたとおりで,これも,この編集者が言うように,
実は昔からみな知っていることなのである。
当然のこととして,周囲が裕福な家庭ばかりなので,そこで出会う人たちも裕福な子女が多く,その人たち同士が結婚して,また裕福な家庭を再生産していく。
そこには一種の閉鎖社会ができ,それ以外の人たちをやわらかに排除しながら,そこにいる人たちには一つのステイタスが生まれていく。

というのは嫌な話だが,私自身が田舎町の進学校に進学したとき,もらった名簿の保護者欄に驚き(医者と会社役員と上級の公務員が大半を占めていた)そして自分自身はそこからはみ出し,否定してはいるものの,つながろうと思えば,地元のありとあらゆる業種の有力者に「友達の輪」を伸ばすことが可能な場所にいることが,何よりも因習的社会の存在を感じさせる。
おそらく都会で,人が多ければ,そんなに色濃く感じないであろう古いしがらみであるが,田舎町では厳然とあり,排他的な構造を維持している。

というあたりで,にゃんこのおめめさんのお答にはなっていないかもしれないが,
ちょっと長すぎるので,そろそろやめにしよう。

にほんブログ村 教育ブログへ banner02.gif

おばちゃんのところへ来てくださって,どうもありがとうございます。
もう一押ししていただけると,もっと嬉しいです。。。。

ありがとうございました
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。