負の遺産か,懐古か

前にコメントをいただいてから,ずっと気になっていた本がありました。

「滝山コミューン1974」


本屋さんを見たぐらいじゃわからなかったので,
そのままになっていたのですが,
朝日新聞の書評に載っていて,あ〜,これこれと目を引きました。

書評を読んだだけなのですが,
多分,私の理解が正しければ,この全国生活指導研究協議会の提唱する集団主義的理想を求める教師たちは,日教組の中でも左派であったり,完全に離れていたりしていました。
かつて赤旗の購読を勧められたりしたこともあったわけですから,かなり赤かったと言って間違いないと思います。

以下,私が感じた滝山コミューン的指導とその指導者についてです。
彼らは一様に集団作りと,そのリーダー作りに長けていました。
滝山コミューンの著者は,子どもの,しかも,この宗教的ともいえる集団からちょっとはみ出した存在だったようですから,
その辺の感触は違うものがあったかと思いますが,
教師としての立場からすると,この強力なリーダーシップを持つ教師たちは,良くも悪くも,逆らうことなどできない教育実践を積み重ねていました。
あまりにも整然としたクラス運営と,それに伴う子どもたちの変容は親たちの絶大な信頼を集め,嫌が応にも学校の中心的存在として君臨するわけです。
常に比較されてしまう,同じ学年の教師たちからは,ともするとやっかまれたり,煙たがられたりすることもあったように思います。

けれど,このコミューンの指導者たちは,決して私利私欲や上昇志向の1ステップとしてそんな指導をしていたわけではなく,
あくまでも子どものためと信じて実践していました。(中には組織のためという人も居たかもしれません。何しろ強烈な社会主義的理想集団でしたから)
今でもその流れをくむ人たちがいるかどうか,私には定かではありません。私の周りでは,今年定年を迎えた小学校の先生が最後です。

とらえ方によっては,過度な競争意識と統率された集団体制に,軍隊を思い浮かべるかもしれません。
私には,むしろ,五人組的共同責任制と,隅々まで行き渡るリーダーの管理体制が特徴的だったように思えます。
落ちこぼれなど許される事のなかった体制づくりは,見事でした。

ただし,子どもはというと,
1年間のクラス担任が終わると,夢からさめたように,

「私はいったい何故あんなことができたのだろう?」

と,疲弊とも懐古ともつかない感情をおぼえ,
しばらくは何もできない状態になっていたようです。
その意味では,反動の大きい指導法だったかもしれません。
その指導を受けなくなって,子どもたちがどうなったかというと,

次のクラスで,あるものは「もう2度とリーダーはやらない」と誓い,
あるものは「あれは夢だった」といい,
あるものはそのクラスにいたことを隠そうとします。
そこに言えるのは,強烈な指導者があってこそ機能するしくみで,
人間の内面を耕していたわけではなかったかもしれないということです。


教育とは,つくづく難しいものだと思います。

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もう一押ししていただけると,とっても嬉しいです。。。。ありがとうございました
この記事へのコメント
本は読んでないのですが、こちおばですから、その集団作り知ってます。
で・・・なんだか、ふむふむでした。
しかし、そこまでの実践・・・たぶん、みたことありません。
そうか・・・生徒はそうなるんですね。
しかし、今も形や考え方は全く違っても、強烈な指導者のあとは・・・ちゃんと生徒が育っているかは疑問に思うことが多いです。
Posted by こちおば at 2007年08月08日 21:32
だれでもできる指導法じゃありませんから
教師のカリスマ性や,特異な指導力がないと
ここまでの実践はできませんよね
あれから後,ここまでの強烈な指導法にはお目にかかっていないのですが,
なんかありますでしょうか。。。。?
Posted by すずめ at 2007年08月08日 22:02
著者と同じ研究室にいたものです。

もっとも、私は和歌山県でしたから、著者のいた東久留米のような土壌ではありません。勤評闘争の歴史がある県でしたから、日教組教員も日本共産党の党員も教師にはいましたが、この本に出てくるほどの徹底ぶりはなかったですねえ。

これは団地という人口的な空間=均質な生徒=と、地方の大字ごとにもかなり貧富もあり、山持ちも生活保護スレスレもいた生徒たちの学校との相違でしょう。

それから、あれは全教へいった人だから的に総括しておしまいにしないことが大事ではないでしょうか。個人と全体のあいだに中間集団がなければああいうことは起こります。

QCサークルがそうですし、旧民社党の富士政治教育センターはこの滝山七小のキャンプファイアに似た行事をやっています。

最後に、本は読んでから批評してくださいね。

Posted by MAX at 2008年08月08日 22:22
本屋さんで文庫版が売ってるのを知り、
宣伝してた人の確認をしてたら、ここを発見しました。

 日教組のおばちゃんで、知識と訓練屋さんが、この本に関して読んでないような感想を述べると、日教組の株が リーマン兄弟のあれかギリシャのそれ並に下がると思います

 教鞭を取り人に物を教えるのは政治と同じく必要悪だというのを忘れると、地獄が出るのは自覚してください

 おにーのぱんつがどうしたのー 
などの一連の集団運動は、小学校時代いやだったけど、

 いざゆけやなーかまたーち の歌は
知識と訓練買ってる方では 嫌いじゃなかったなあ。
Posted by とほりすがり at 2010年08月20日 12:45
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