やっぱりな,お寒い日本。幻想はそろそろ捨てなきゃ。

もはや「教育大国」ではない日本。寂しい中学生。
ユニセフのイノチェンティ研究所が21の経済先進国の子どもや若者を取り巻く状況に関する報告書を発表しました。

 この中で研究所は,国民一人当たりのGDPと子どもの福祉には、必ずしも相関関係がないと指摘。6つの観点からのランクを総合指数化した数値で,英国は最下位。米国は下から2番目。1位はオランダ,2位はスウェーデンでした。

 6つの観点とは「物質的厚生」,「健康と安全(治安)」,「教育」,「友人や家族との関係」,「日常生活上のリスク」,そして「子どもや若者自身の『実感』」。英国は「物質的厚生」「健康と安全(治安)」「教育」の項目ではまだ高い評価を受けましたが,その他の事項ではいずれも最下位レベルでした。

 日本は,すべての項目でデータが揃ってはいなかったため,報告書ではデータがあった部分でコメントされています。しかし経済と教育,そして社会,更に家庭の学習環境,日本のこれらのアンバランスが目立ったようです。

 子どもや若者自身の『実感』」の項目で,「孤独を感じる」と答えた日本の15歳の割合は29.8%。平均値は7.4%です。二桁台は2ヶ国のみ。日本に続くのはアイスランド(10.3%)とポーランド(8.4%)の数値でした。

 更に「疎外されている」と感じる割合は,平均値9.8%に対し,日本は18.1%。世界一孤独な日本の子供たち。経済大国で何故?と思わざるを得ません。子供がいる家庭で,働く親がいない家庭の割合で日本は0.4%。平均値は5.0%。経済的には余程うまくいっている国で一体何が起きているのでしょう。

 一見うまくいっている経済面にも,平均的な世帯収入を100とした場合,50以下の世帯を「貧困」世帯と定義してみます。この「貧困」世帯割合が日本は高い方に位置します。14.3%。(米21.7%、英16.2%)。

 もっと驚くのは、この「貧困」世帯割合と同じ「物質的厚生」項目での日本の低レベル振りです。学習環境が劣悪な児童の割合が53.3%。これは「学習机の保有」「静かな勉強場所」「辞書」「計算道具」「教科書」「学習用のコンピューター」「ネット接続環境」など,学習環境の充実を象徴する8品目中、所有が6品目未満の家庭の割合。経済大国日本の,あれだけ教育熱心だったはずの日本が一体どうなってしまったんだろうと,目を疑わずにはいられない惨状でした。

 親の意識に何らかの変化が起きたとしか思えません。現在中学生クラスの子供を持つ親は40歳前後。その親が中学生の頃とは1980年前後。昭和52年度学習指導要領より実施された「ゆとり教育」世代です。更に彼ら彼女らを教えた教師は昭和44年「教育の現代化」の変革を経験した世代である。これらの影響がこのたびの調査結果にどう影響しているかは専門家の分析を待たなければなりません。

 最後に「子どもや若者自身の『実感』」中の項目,「向上心」。「30歳になった時,どんな仕事についていると思いますか」との質問に対して、「非熟練労働への従事」と答えた日本の15歳の割合は、データ不十分の日本なども含めた25か国中最高の,50.3%に達しました。(平均値27.5%)

 子供はその国の「未来」です。資源のない日本は,「貿易立国」と同時に「知識立国」でなければなりません。戦後,教育水準の高さをベースに経済大国の礎は築かれました。子供の過半が「low skilled work」を志向する,ないし予想する国の「未来」は一体どういうものになるのでしょう。

という,恐ろしいニュースでした。どうなるんだろう,日本の社会。それでもまだ政府は教育の予算を削り続けるのです。
かつて,世界の文化人たちをして,「こどもの天国」と言わしめた日本。半世紀の間に,日本は子どもを宝とは扱わなくなったようです。この国に本当に未来はあるの?子どもを産んでも大事にしてもらえない国で少子化が解決できるの?

自分たちが何をしたかを棚に上げ,政治家たちはこれも日教組のせいにして,この政策を進めていくのでしょうか??
この記事へのコメント
この国は何もない国です。資源どころか、食糧自給率さえ3割に満たない。そんな国が生き残る道は人的資源しかないのに、そこを育てないで本当にどうするのでしょうね〜。
Posted by 無敵 at 2007年05月29日 06:26
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